野望的传说

６０話からなる、韓国ドラマの「野望の伝説」を見終わりました。１９９８年製作のこの作品、主人公役の男優チェ・スジョンの迫真の演技に感動しました。１９７０年代、革命の名のもとに軍人がクーデターを引き起こして、独裁的な政権を握った時代の韓国が舞台になっています。現実に起きた歴史的事実をもとに、数奇な運命を辿って、怨念と復讐に翻弄される兄弟の人生を壮絶に描いたドラマでした。 当時中央情報部が、死刑を求刑された犯罪者などを仁川沖の実尾島に集め、金日成暗殺のための特殊工作部隊訓練をしていた事実が描かれていますが、その非人道的な過酷な訓練シーンには、思わず目を伏せてしまいました。秘密裏に訓練されていたこの部隊は、暗殺計画が実行に移される直前、突然政府が方針転換した南北融和政策のために、暗殺計画の事実を歴史から抹殺しなければならなくなり、特殊部隊のほとんどを処刑し、社会からその存在を消してしまいました。 欧米化されたイケメン俳優達が、華やかに活躍する現在の韓国という国が、今から僅か３０数年前には、本当にこんな時代を生きていたのかと、俄かに信じられないような壮絶な事実が描かれていました。本来白日のもとに曝してはならない歴史的事実をドラマ化したこの作品、放映当時は５０％以上の高い視聴率を記録し、話題騒然となったと聞いています。このドラマがきっかけとなって、それから５年後に、これまた大変な話題となった映画「シルミド」が製作されました。２年ほど前にこの映画を見ましたが、時代の波に翻弄されて散っていった命を想い、しーんとした気持になりました。 ドラマ最終のあたりに、「革命という名のもとにおこなわれたすべてのことが、実は権力を手にしたかった個人の野望の追及にすぎなかった」というセリフがありましたが、現在のどの国の政治にもあてはまる名言で、感銘をうけました。韓国でさえ、政治的に邪魔になったものを、かくも平然と抹殺した事実があるならば、独裁政治のおこなわれている北朝鮮の闇の部分は、推してはかるべきものがあります。あの国へ拉致されて、未だに戻ってこられない人達がどうなったのか、想像するだけでも背筋が凍ります。ドラマの中で、交通事故などを装って、いとも簡単に人命が消されていくありさまを見ていると、独裁政治の恐ろしさに身がふるえました。

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